インタビュー

開業のきっかけを教えてください。

洋行)もともと家内(由佳)が先に開業していましたが、既存のお客様以外に相続関係や福祉関係などの分野を広げていきたいと考えており、それを実現しつつ、それぞれの強みを活かせるような仕事をしたいと思いました。そこで2012年に勤めていた会社を退職・独立し、会社を設立しました。

強みというのは具体的には?

洋行)私の強みは前職で経験したM&A業務を中心とするノウハウですね。長年、M&Aや事業再生案件の財務調査業務や価値評価業務に携わってきましたので、事業承継に伴うMAの考え方についても役立てることができます。また、それらの業務や監査業務での経験から、会社組織や内部管理などについても知見を持っています。これらを活かして、事業承継の問題点の抽出と解決策について適切な提案ができる点に強みがあります。

由佳)私の強みは税理士としての専門性、相続対策や遺言書作成支援、税務申告経験はもちろんですが、お客様から潜在的な希望を引出すことを多く経験しているので、一番の強みはそこではないかと思います。

元々いろいろな方のお話を伺うことが好きなことに加え、コンサルティング会社勤務時代にヒアリングのノウハウを習得したことが基礎になっていると考えますが、経営者ご本人だけではなく配偶者の方や従業員の皆様、場合によっては従業員のご家族とも信頼関係を結べるのは私の強みです。

今回、オーバルコンサルティングという会社を開業されましたが、他の会社がサービスとして提供している事業承継コンサルティングと違うところは何でしょうか?考え方などお教え下さい。

洋行)後継者に事業を承継していくということのみを考えるのではなく、元オーナーの方、その事業を引き継ぐ後継者の方それぞれのライフスタイルをコンサルティングしていくというのが基本的な考え方です。

その経営者によってリタイアの仕方については考え方があると思いますので、それぞれのニーズを実現出来るようなかたち、解決策をご提案するのが我々の方針です。

事業承継におけるM&Aはどういったものですか?

洋行)一般的な意味での事業承継は、後継者の方に株式を譲渡しますので一般的な意味でのM&Aにはなりません。ことになり、税理士はその際の相続税節税を提案するのが基本的なサービス内容だと思います。後継者がいらっしゃらない場合には、他社への株式譲渡や他社との合併なども選択肢に入ってきます。

「事業承継対策」というと知り合いの税理士さんに頼むものでは?

洋行)もともと顧問の税理士さんがいらっしゃるでしょうし、ご相談されればよいと思いますが、経験のある方ばかりではありません。また、相続を専門とされている税理士さんに頼む場合でも株式譲渡の際に相続税節税を提案するのみで、事業承継の方針や継承後の事業内容について十分検討されないケースも多いと思われます。

それに対して、オーバルコンサルティングはどういったサービスを提供するのですか?

洋行)事業を継続することを検討するとき、多くの方はご子息への株式譲渡を最優先候補とされると思います。しかし、後継の経営者として誰が適任であるか、どのような形で引き継いでもらえばいいのか、総合的に検討することが重要であると私たちは考えています。

なぜなら、結果として親族の方に譲渡することを選択するにしても、承継の検討を通して、今現在の経営状況を的確に分析することができますし、承継後の事業計画に織り込むべき要素を早い段階から発見することができるからです。

私たちは、オーナーの皆様がこれらの検討を行う上で、専門的な知見を活かしつつ、良き相談相手としてお手伝いをしていきたいと思っています。もっともこれには比較的早い段階からの関与が必要になってきますので、あと一年でリタイヤを考えているという直近ではなく、ある程度時間の余裕をもって後継者選びや承継のプランニングを提供したいと考えています。

一緒に考えてベターな選択肢をみつけることが出来る。

洋行)中小企業の顧問税理士の先生にとっては、M&Aなど親族への株式譲渡以外の方式は一般的ではないので、いままで経験されてないことを顧問先に対して積極的にご提案することは難しいと思うんですよね。

由佳)主人は大企業での経験を積んできていますので、是非中小企業の方にも様々な選択肢があることを知っていただき、積極的に利用いただいて、一緒にプランニングをして実行していきたいと思っています。

ご子息が自分でやりたい仕事や分野があるにも関わらず、自分は長男だから継がないといけないとか、それで道を決めてしまうのではなく、本当に継ぎたいなら最適な承継方法を検討すればいいと思いますが、もし本人がのぞまないのであれば、経営については外部の方に任せるということも選択肢としてあるということを教えたい。

洋行)事業の環境はどんどん変わっていきますから、想定していた承継の仕方も変わってくる可能性が結構多い。変化に応じて出来るだけベターな選択をしていただきたい。長いおつきあいをしていきたいですね。

大企業にはM&Aは多いと思うのですが、中小企業でもそのような相談をしていいのかな?という不安もあると思うのですが。

洋行)事業の大きさはあまり関係ないです。もちろん会社の価値によって選択が狭くなる可能性はありますけど。経営者の方がこの事業を残したい、従業員を守っていきたいという強い想いを持っていれば、おつきあいできると思います。

M&Aにこだわるわけではありませんので、まずは広くご相談くださいという感じです。

会社の規模ではなく、残したいという事業があるかどうかなんですよね。

洋行)どうしても残したい事業があっても、事業として厳しい状況という場合もあります。その場合はそもそも事業承継だけではなくて、事業をどう立ち直していくかというお話をさせていただきます。ただやみくもに承継しても、うまくいかない事業は後継者の方も困るわけですから。

会社の事業を残したいと思う、社長さん、オーナーの心境、タイミングはどういう場合が多いですか?

洋行)早い方は50代でも、お元気なうちから考えている方がいらっしゃると思います。中小企業の方は業績が上向きな時に継がせたいと考えられる方が多いです。業績が落ちているときにお子さんに継がせると大変なので、業績を戻してからと考えるうちに歳を重ねてる方も多いと思われます。

由佳)お勤めの方だと定年があって、そのときにまとまった退職金があったりと計画が立てやすいんですけど、中小企業のオーナーさんの場合は、自分自身の退職金もとれなかったりするので、やめるにやめられなかったりとか、個人的な財産にも担保が入っていたりして、なかなかタイミングがはかれずにお年を取られていくことがあります。私は税理士なので相続税の節税を考えてしまいますが、やはり相続の準備は早ければ早いほどいろいろな対策ができるので、早くご相談いただければと思います。

やはり自分の会社のこととか、個人的な財産のこととかを相談していただくには信頼関係が大事になってきます。おつきあいが長くなるといろいろなお話を伺ったりできるようになります。私は、こんなつまらない事聞いたら先生おこられるかな?と思わせない、何でも話したくなるような存在になりたいですね。

いままでの経験からも、会社合併とか分割の計算をする仕事よりも、その仕事で関わった方からいろいろな話を伺ったりするのが好きで。一緒に趣味の話をしたりとか茶飲み友達みたいな。そういうのが私は得意だなと思っています。

夫婦だからこその強みってなんですか?承継のお子さんに近い年代だからとか

由佳)女性目線と男性目線があるということ。ファミリーの中で娘がどういう思いをもつかとかは、男性にはわかりにくい部分があるので。後継者のお子さんに、既にお子さんがいらしたりするので、ご本人だけの問題ではなくなっていることも多いと思うんですね。こちらも夫婦なので、後継者もご家族一緒にお話を伺っていけると思います。法人を構成するのは個人なので、個人ひとりひとりの思いも聞きたいし、その方の配偶者の方とかお子さんとかご兄弟とかそこに関わる人どこにもひずみがないように、ヒアリングという形ではなくて、自然のおつきあいの中でいろんな思いが聞けるように、こちらも二人で出ていって人間同士のつきあいをしたい、そういうことを通してお話をすすめていけたらなと思います。

最後に3年後、5年後のイメージをお話ください。

事業承継の方は、顧問契約をさせていただいたお客様と、長期的なおつきあいをしていきたいと思います。もちろん多くの方とお付き合いさせていただきたいですが、やみくもに数を追うつもりはありません。我々のコンセプトをご理解いただいて、まずは御相談いただければと思います。

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